国宝 長尺の美しい作品だが難点が - Kenjis Movie Review
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国宝 長尺の美しい作品だが難点が

去年、日本で合言葉になったのは「国宝、見た?」という言葉だったそうです。それほど社会現象となった大ヒット映画。シドニーで12月に2週間限定の一般公開があったので、早速行ってきました。ヤクザの子供として生まれ、父親が銃殺された後、踊りの素質を見込まれて歌舞伎の名門に引き取られ女形として国宝になるまでの多難な軌跡を描いたもの。主人公喜久雄を演じるのは国宝級のイケメンと言われている吉沢亮。そうそう酒好きなんでしょう、泥酔して間違って隣のマンションに入ったというスキャンダルもありました。名門(渡辺謙、寺島しのぶ夫妻)には後継者と見られている息子俊介がいて(横浜流星)、喜久雄とは幼馴染であり友達でありライバル。退屈なシーンというのが皆無なので3時間の上映がアッという間に過ぎてしまいます。ただ難点というか、説明不足のシーンがあるんですね。それも重要なシーン。喜久雄には幼馴染の恋人(高畑充希)が居るんですが、彼女が俊介と手に手を取って駆け落ちしてしまうところ。渡辺が重要な役に血筋より実力と喜久雄を選び舞台で口上するのを俊介は見ていて失望の涙を流すんですね。耐えられなくなって席を立ちロビーで茫然自失のところ、違う席で俊介を見ていた高畑は追っかけ、慰めそして駆け落ちするんです。おいおい高畑、喜久雄とは一緒に背中に彫り物を入れたぐらいの仲。あんた尻軽女なの。高畑が仕事からアパートに帰ってくると、横浜が待っており「入る」と勧める高畑に「いや、よしとく」とかなんとか言って背を向けるシーンがありますが、これだけで二人が駆け落ちするまでの仲と想像するのは無理。そして、駆け落ちして7年間失踪して、俊介が再び歌舞伎に戻るところ。彼の心の葛藤もなくすぐ一線に返り咲くというのはあり?いくら名門の出身でも。そして喜久雄の場合も渡辺という後ろ盾をを失って迷走し、見せ物の女形に落ちぶれていたところ、二人の理想とする人間国宝の女形に呼ばれてそれから復活していくのも首を傾げました。この人の口利き?ところがこの国宝は落ちぶれて汚いアパートの狭い部屋で床にふせった状態。とてもじゃないがそんな力があるとは思えない。
この映画の売りは、吉沢と横浜の美しい女形の姿と華麗な舞台での踊りだと思いますが、ハイライトはラストシーン。吉沢が単独で鷺娘を踊るのですが、美しく感動的です。原作は吉田修一の「国宝」。監督は韓国人の李相日。映画の世界は勝てば(ヒットすれば)官軍負ければ(こければ)賊の顕著な世界。これまでの収益No.1の「踊る捜査線」を抜いたこの映画はビッグウイナーです。
    80点

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